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台湾で就労条件を満たさないと罰せられます

台湾の日本ラーメン店の日本人調理師が処罰

先日、台湾中部にある日本ラーメン店の日本人調理師が、台湾の就業服務法に違反して15万元(約53万円)の罰金を受けたニュースがありました。

このお店は大阪にあるラーメン店で、海外第一号店を台湾に作ったようです。

問題となったのは、台湾のラーメン店を経営する企業が、外国人を就労させるために必要な手続きを取っていなかったことになります。

この結果、就業服務法違反として15万元の罰金を受けました。

台湾の企業は不服を申し立てて行政訴訟を行っていましたが、結果は敗訴となりました。

ニュースには報じていませんでしたが、過去の事例より、日本人調理師は強制退去措置となり、5年間は再入国禁止になっていると思われます。

 

 

就労するための条件

台湾では本国人の就労を保護するために、外国人の就労には様々な制限を設けています。

外国人が台湾で就労する場合、各政府機関の申請及び許可、就労ビザの取得などの手続きが必要になってきます。

これらに費やす期間は1〜2ヶ月になります。

就労するための基本的な流れを紹介します。

  1. 雇用者(招聘企業)及び被雇用者(外国人労働者)が台湾で就労できる条件を満たしているか確認
  2. 勞動部勞動力發展署へ「就労許可証」を申請する
  3. 「就労許可証」を取得した後、本国にある台湾の領事機関で「就労ビザ」の申請と取得をする
  4. 台湾に入国後、15日以内に移民署へ「居留証」を申請する

2.の「勞動部勞動力發展署へ「就労許可証」を申請する」の部分は、従事する業種によって条件が異なってきます。

 A 専門性もしくは技術性の職業(建築、交通事業、弁護士、医療保険、学術、製造業、卸売業など)

 B 華僑もしくは外国人で投資審議会の承認を受けた企業の主管(経理人)

 C 学校の教師

 D 塾の専任語学教師

 E スポーツの監督・コーチ、選手

 F 芸術及び芸能

 G 履行人員(外国企業が運営や売買、技術指導等の契約で必要になる際に外国人員を派遣する場合)

上記以外に当てはまらない場合は、台湾で就労することは困難だと思われます。

詳細については、勞動部勞動力發展署の一般外國專業人士在臺工作のページ(中国語)をご参照ください。

「就労ビザ」及び「居留証」は書類が揃っていれば、概ね問題なく取得することが可能です。

 

このラーメン店が日本人を雇用する場合の条件

今回このラーメン店は就労条件を満たさない外国人に就労させたということで処罰を受けました。

ではこの店が合法的に外国人を就労させるためにはどのようにすれば良いでしょうか?

方法は「経理人(=現地代表者、責任者)」「非経理人(=被雇用者)」の2つのパターンがあります。

*今回はラーメン店というケースですので、恐らく最も当てはまるであろう条件のみ紹介します。

*日本のラーメン店は台湾企業にフランチャイズという前提とします。(資本提携等なしという条件)

 

【経理人の場合】

経理人とは日本で言うマネージャーのような職位で、台湾現地法人もしくは支店の代表者という扱いになります。

会社登記簿の「経理人」欄に、申請者の名前や住所等が記載されていることが必須になります。

経理人としての申請の場合、卒業証明書や職務経歴書等の提出は不要となります。

ただし雇用主の企業の条件として、「設立1年以上の企業であれば直近1年間のあるいは直近3年間の売上高の平均が300万台湾元(約1050万円)以上」が必要になってきます。

 

【経理人以外の場合】

雇用者の条件と被雇用者の条件があり、就労を申請するためのハードルは高くなります。

経理人以外の「被雇用者」としての申請であれば、台湾で従事できる職種が決まっています。

先程の従事する業種の「A 専門性もしくは技術性の職業(建築、交通事業、弁護士、医療保険、学術、製造業、卸売業など)」にある「A15.其他經會商中央目的事業主管機關指定之工作」が当てはまります。

 

申請者の条件としては以下の資格の一つを満たす必要があります。

  1. 専門職業及び技術員の資格取得者
  2. 国内外の大學の修士取得者、あるいは学士取得者で2年の関係する職業での職務履歴(例外あり)
  3. グローバル企業で1年以上派遣されてきた者
  4. 専門的な訓練あるいは独学で5年以上の経験があり、独創的及び特別な表現者(例外あり)

また雇用者としては、下記の条件が必要になります。

「設立から1年以上の台湾企業の場合、直近1年間あるいは直近3年間の売上高の平均が1000万元(約3500万円)以上もしくは平均輸出入金額が100万米ドルもしくはコミッション収入が40万米ドル以上」

条件としてはかなり厳しいので、いかに台湾で外国人が就労につくことが難しいかを物語っていると思います。

 

 

まとめ

 

今回の台湾企業がもしラーメン店のみの経営であれば1000万元の売上を上げることは相当厳しいと思います。

なので「経理人以外」として雇用を申請するのは難しいと思います。

「経理人」としての申請であれば、年間300万元の売上額をクリアすれば良いのでハードルは下がりますが、雇用者の企業の会社登記内容を変更する必要がありますので、このあたりがスムーズに行くかが鍵となります。

 

もう一つの解決方法としては、ノービザで入国をして、就労をせずにアドバイスのみ行うということであれば問題ないと思います。

今回は制服を着て厨房に入り、実際に調理を行う商品を提供していましたので、当局からは就労行為とみなされたと思います。

なので、私服で厨房以外の位置で台湾人スタッフに指導やアドバイスを行うのであれば問題はないと思います。

当然台湾のラーメン店から報酬や謝礼、出張費等を受取ると、就労行為とみなされる可能性がありますので注意が必要です。


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